インベスターズトラストS&P500インデックス証券について、web上で徹底的に調べた結果、イマイチ信憑性に欠ける部分があったので、実際に複数のFPにヒアリングして正確性を精査してみました。
で結果。やはりというかなんというか、ウェブ上の情報には、不確かな情報&嘘情報がかなりあったので、正しい情報※をシェアしようと思います。
※インベスターズトラスト正規イントロデューサー2人から同一回答が返ってきたもの
インベスターズトラストとは
インベスターズトラストとは、タックスヘイブン(素材回避地)であるケイマン諸島で保険会社としてスタートし、後にオフショア積立投資商品の販売を開始。現在は、世界中の複数管轄区域に保険会社及び関連会社をもちつつ、ITを活用したグローバルな展開を見せるグループ会社です。
アメリカの格付け会社であるA.M Best社による格付けで、2021年の時点で4年連続A-(Excellent)の評価を得ており、会社的な信用は非常に高いと言えます。
正式名称は、Investors Trust Assurance SPC(略称はITA)。公式サイトは以下となります。
そんなITAが主力の1つとして展開する商品が、S&P500指数に連動した海外積立投資信託である、S&P500インデックスです。
以下、この商品のメリットとデメリットをまとめてみました。
メリットとデメリット
メリット
元本確保型
これが最大のメリットかと思います。
満期を迎えた際、10年プランで100%。15年プランで140%。20年プランで160%の「元本確保」が約束されるので、途中引出し等の例外処理なく満期を迎えさえすれば、元本割れはありません。
また運用次第(S&P500のチャート次第)では、プラスアルファのパーセンテージも期待できるという、非常に割の良い投資かと思います。
ただしドル建ての時価評価金額でのパーセンテージとなるので、この点は注意が必要です(為替次第で円に直した時の実際の利益が変動)。
SPCの安心感
インベスターズトラストは、会社の資産と顧客の資産を切り離して管理するSegregated Portfolio Company(分離資産管理会社)の為、もしインベスターズトラストが倒産したとしても、顧客の資産(実際にあなたが支払った金額)に関しては100%保全されます。
ただし保全されるのはあくまで「時価」で評価された金額なので、為替によっては損が出る事もあるのは注意が必要です。
基本放置で良い
S&P500インデックスでの投資信託は、投資先選択や変更等をまったく必要としない為、投資について詳しくなくても、別段支障がありません。
基本的には放置で良いので、初心者にやさしいのも魅力の1つです。
最大3年までの先払い権利
円高でも円安でも、予め決められた額で毎月積立をしていく商品が多い中、この商品は、2ヶ月~3年分先払い(前倒しで積立)する事ができます。
大きく円高になった際は、まとめて先払いしちゃいましょう。
ちなみに、先払い後1年経過すれば、また同じ条件で先払い可能なので、為替をうまく活用して効率の良い積立をする事が可能です。
ただし、先払いしても満期を迎える期日に変更はありません。
先払いした分、毎月の支払いがなくなるのみなので誤解なきようお願いします。
デメリット
金融庁未認可
金融庁が認可していない証券会社なので、もし何かしらのトラブルがあったとしても、日本の金融庁が投資家を救うために介入ができません。
国の助けが得れないのは、もしITAが倒産し、かつ連絡がとれなくなった場合等に打つ手なしになる可能性もないとは言えないので、デメリットになりえます。(審査期間による評価は高いので、そんな事にはまずならないとは思いますが)
正規代理店がない
金融庁から認可を受けていないので当たり前ですが、インベスターズトラストは、原則として日本国内での営業活動が認められていません。
その為、もちろん正規代理店は国内にありませんので、IFAとか代理店と名乗ってはいけないし、本来営業もしてはいけません。
インベスターズトラストに認められたイントロデューサーと言われる申込み仲介者がいるだけなので、「たまたまそのイントロデューサーの存在を知って、自分から申込みたい」という場合にだけ申込みができる事になります(仲介者を見つけないと入れない)。
つまり、直接の窓口はその仲介者のみ。その人がトンズラしてしまったら、窓口はなくなります。
仲介者は信用に足る人間なのか、もしもの時のサポート&バックアップ体制はどうなのかは聞いておいた方が良いかもですね。
ただし、悪名高いロイヤルロンドンとは違い、契約者が口座変更などを行なう為の管理画面もあれば、日本語でのメールサポートもあるので、ある程度は直接インベスターズトラストとやりとりすれば解決するとは思います。
為替リスク
ドル建てである為、受け取り時に円高か円安かで、利幅が大きく変わります。
しかも、海外のドル口座がなければ、満了時に強制的に円換算された金額になる為、もし大きく円安になっている時に受取りになってしまうと利幅のない平凡な金融商品となったり、下手をすれば赤字になる可能性もあります(まあ、15年以上の契約なら、ほぼほぼあり得ないとは思いますが)。
ただしそんな時は、ITAの他の短期投資信託等にスライドする事で、受け取りを先延ばしにする事も可能なので、予め担当イントロデューサーに相談する事をおすすめします。
節税が困難
iDeCoやNISAでの投資信託のように税金免除もなければ、積立年金のように年金として受け取る方法もありません。
満期時には一括で雑収入として課税されますので、各自で出口戦略(受取時の節税)を考える必要があります。
どちらとも言えない
手数料が高い
ネット上でデメリットとしてよく書かれているように、毎月もしくは毎年、以下のような手数料がかかります。
- 年間管理費
10年プラン:2.0%、15年プラン:1.7%、20年プラン:1.1%(日本の証券会社の10倍~100倍くらい) - プラン手数料
10ドル/月(120ドル/年) - ストラクチャー手数料
アカウント価値の 0.125%/月(1.5%/年)
しかしこれらの手数料は、運用金の中から差し引かれる仕組みとなっており、差し引き後の還元率が10年で100%、15年で140%、20年で160%となっているので、特に意識する必要はないです。
ちなみに満期受け取り時に、為替手数料が2%くらいかかるのは予め留意しておきましょう(海外のドル口座を持っている場合はそのままドル入金可能)。
ロイヤリティボーナスがもらえる
メリットとして紹介される事が多いこのボーナスですが、これも手数料と同じように、~160%の最終還元額に含まれているので、気にする必要はありません。
要は、契約年数が長い方が還元率が高いですよ~ということです。
仲介者について
仲介者の手数料
仲介者の手数料は「月額×年数」と言われており、例えば月2万円で20年契約をしたとすると、2万円×20なので、40万円の手数料が入る形になります。
一般的なサラリーマン家庭なら、2万で20年くらいが妥当かと思うのですが、この手数料を少しでも多くもらおうと5万で20年、8万で20年などと上へ上へと誘導してくる仲介者も多くいるので、十分注意が必要です。
てことで、上記を踏まえて、以下、仲介者の選定方法を記述します。
仲介者の選定方法
上記を加味し、仲介者を選ぶ際は、まずは以下に気をつける方が良いかと思います。
- IFAとか代理店と名乗っている人はNG
先述したように、そんなものは存在しないので嘘です。イントロデューサーという仲介者のみが存在します。「代理店的なものやってます」くらいな言い方ならぎりセーフですかね(^^; - インベスターズトラストを積極的におすすめしてくる
金融庁未認可の為、日本国内においての営業はNG。「私自身はこういうのやってます」と商品ちら見せくらいならグレーかも(^^; - 理にかなっていないプランを提案する
年収に見合った額での提案をしてこない、必要性の高い保険や特約等を含む商品を解約して乗り換えを勧めてくる等、現状を加味しないで「儲かる」の一辺倒で押してくる人はNG。 - デメリットを説明しない
先述のようにデメリットも存在します。それらを説明しない人はかなり怪しい。
特に3は要注意です。
いいのいいの言われて、その場ではめちゃめちゃ儲かるじゃん!!って思っても絶対にすぐに契約はしないでください。
年収に対して支払いのパーセンテージが高すぎないか。保険を解約するなら本当にそれが必要ないのか等を、家族や親しい人詳しい人に相談しながらよくよく精査してください。
あとできれば、他のFPにも連絡し、セカンドオピニオンとして相談してみてください。
個人的結論
インベスターズトラストS&P500インデックスは、非常に割の良い投資信託で、個人的にはかなりおすすめです。
ただし、出口戦略に難があるので、受け取り時に諸々工夫する事ができない人は、勉強するか、信用できる詳しい人が受け取り時に側にいるような状況を作れるようにしておく必要があるとは思います。
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